大森 啓隆(おおもり・ひろたか)
金沢紙業株式会社 機密抹消事業部 部長
NAID JAPAN 第一期Boarder
金沢紙業株式会社は石川県で最も早くオンサイト処理を導入し以後20年以上業界のトップランナーとして排出事業者からの信頼を獲得し、安心安全なサービスを提供しております。
今回は【機密処理事業の将来】と【世界の現況】についてです。
前回のコラムでは、処理方法については、焼却・溶解から裁断・直接溶解に
意識が変わってきていると述べましたが、機密処理を取り巻く環境はどうなっていくのかを述べたいと思います。
まずは、【法律】です。
2005年に個人情報保護法が施行して2017年に一部改正、2022年に改正個人情報保護法
が施行(予定)。
各企業の意識が明らかに変わったのは、2005年だったと記憶しています。
やはり、法律=罰則という中でかなり意識レベルが上がり、機密処理業者も増えて行きました。
ここで、業者選定が変わりました。
〇更にどう変わっていくのか。
『排出者の選定条件の移り変わり』
●廃棄物処理業者 → 機密処理専門業者(兼任含む)
*機密扱いで処理をして欲しい。証明書発行もして欲しいなど
次に、機密の意識が出てきて、メディア等からも漏えい事故の報道がされはじめてきました。
●機密処理専門業者 → 認証取得の機密処理専門業者
*証明書の裏付けとして、ルールを守って社員教育もしている
*対外的にも選定の責任がある
次に、紙媒体だけではなく、もっと大容量のHDD等のデータ消去が増え更に特殊な処理
になってきました。
●認証取得の機密処理専門業者 → 機密処理(廃棄)に特化した認証取得の機密処理専門業者
*処理方法(媒体)も増え、更に専門的な考えが必要
最近では、EUのGDPRやカリフォルニア州のプライバシー権法等が、世界だけではなく日本にも関係してきていることから、日本の個人情報保護法だけをとらえるのではなく、世界基準の対策・対応が求められる
●機密処理(廃棄)に特化した認証取得の機密処理専門業者 →
漏えい後の対策も要求している機密処理(廃棄)に特化した認証取得の機密処理専門業者
*世界基準の対策が必要
*漏えいさせない事が大前提だが、漏えいした後の対応を重視している
(例えば、事故発生後の即時報告義務や億単位の漏えい保険加入義務等)
〇世界における機密の扱い、処理、環境は法律を中心に厳しくなっていく。
機密処理事業の将来はいかに世界基準に準拠していくかに、かかっている。
コロナ禍により、在宅リモートワーク等も増え、自社処理では対応が難しくもなりアウトソーシングも増えていく中で、機密に対するリスクは明らかに上がってきている。
漏えいさせないだけではなく、漏えいした場合の対策・対応がしっかりとした仕組みになったルールを持っている機密処理事業者だけが将来残っていくものと考えます。
TOGETHER to the FUTURE
機密処理産業の未来を一緒に。
一般社団法人NAID JAPAN