大森 啓隆(おおもり・ひろたか)

金沢紙業株式会社 機密抹消事業部 部長

NAID JAPAN 第一期Boarder

金沢紙業株式会社は石川県で最も早くオンサイト処理を導入し以後20年以上業界のトップランナーとして排出事業者からの信頼を獲得し、安心安全なサービスを提供しております。

今回は『知識』について書かせていただきます。

 

数十年前の当時、まずは、【機密処理の現状把握】について

 

・焼却処理

(可燃ごみ又は一般廃棄物)

・溶解処理

(一般古紙と一緒に古紙回収に出す)

(一部、重要書類のみの直接溶解)

・オフィスシュレッダー機器利用

(シュレッダーくずは可燃ごみ)

 

の大きく分けるとこの3つでした。

 

それぞれのメリット・デメリットは

 

●焼却 メリット=完全に抹消出来る・安価

    デメリット=機密扱いではない・搬入搬出・運搬時の漏えいリスクがある

          資源にならない(環境にやさしくない)

          機密文書としての責任の所在がはっきりしない

 

●溶解 メリット=一般古紙との分別が不必要・リサイクル・安価

    デメリット=機密扱いではない・搬入搬出・運搬時の漏えいリスクがある

          機密文書としての責任の所在がはっきりしない

 

●オフィスシュレッダー メリット=完全に抹消出来る・手軽

            デメリット=分別が必要・資源にならない

                  機器購入や、処分費用、人件費がかかる

 

このことをまとめると、当時の現状は、

〇機密としての意識が低い

〇人的、搬送等のリスクが大きい

〇責任の所在を説明できない

〇分別の意識が低い

〇環境に配慮されていない

と、考えられます。

では、そのことを踏まえて【現状とその他の違い】を考えると、

 

アメリカやEU各国、先進国といわれている他の国はというと、

 

機密文書は現金と同様の扱い。

焼却処理・溶解処理の概念すらない。

契約・証明書等で責任の所在をはっきりさせている。

 

日本でのJAPANスタンダートのデメリットを払拭している。

 

 

以上の事項より【処理方法を変える理由・根拠】に繋がります。

 

焼却処理 → 機密扱いではない ×

溶解処理 → 機密扱いではない ×

オフィスシュレッダー → 責任の所在がはっきりしない ×

 

では、どうするか??

 

① 移動式シュレッダー車両にて、その場で裁断処理

(請負契約・秘密保持契約書締結・抹消証明書発行)

(作業員の教育訓練の継続・確認)

② 鍵付き専用車両にて、運搬、自社裁断工場にて裁断処理

(請負契約・秘密保持契約書締結・抹消証明書発行)

(作業員の教育訓練の継続・確認)

 

① ②とも、裁断後は、製紙会社に持ち込みリサイクルする。

 

この処理方法により、

 〇機密としての意識をもつ

 〇人的、搬送のリスクをなくす

 〇責任の所在をはっきりさせる

 〇分別の指導をする

 〇環境にやさしい

 

となり、少し他国に近づき、機密文書という意識付けにもなります。

 

さて、ただのゴミ若しくは、雑誌等と同じ扱いから機密書類としての地位になり、

リスクを減らす処理方法に行き付きましたが、世界の動向をもっと早く進んでいます。

 

そこで、【世界の現況】を含め【機密処理事業の将来】はどうなっていくのか?

 

は、次回書かせて頂きます。宜しくお願い致します。

 

 

 

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